避妊手術・ボーダーコリー『エルダ』の場合

4歳8ヶ月


避妊手術するときはこんな事考えもしなかった。
ただ、住宅状況・生活環境が子供を産ませる事の出来る状況じゃなかったから。
それだけの理由。
もし、私が郊外の大邸宅に住んでいてボーダーを何頭も飼えるような体力があり、
財力もあり、人手もあったのならよそからの子よりエルダの子を望んだに違いない。
でも、よーく考えなきゃぁダメなんだ。
しろうとの安易なブリード(本当に悪気が無いのは分かってる)で不幸な子が
沢山産まれてる、ッて事も事実だって言うこと。
産まれた子の行く末は胸が張り裂けそうな事ばかり。
動物奇想天外見て泣いてるだけじゃ、ダメなんだ、って、やっと分かってきた。

悲しい死を遂げたお友達もいた。
こんなのは氷山の一角なんだ。
なーんも出来ない自分だけどせめて自分のHPにこの思いを綴りたい。

(五右衛門へ捧げます)


もともと子どもをとるつもりは無かった。エルダの父親が股関節の形成不全を沢山出しているボーダーだったので繁殖はいけないと思っていた。

でも、どうしても人間の思い込みで手術を施すのではないかという思いがまだぬぐえない。要するにメリットとデメリットを天秤にかけてメリットの方がちょいと重いかもしれないという私の希望的観測なのだから。

エルダの避妊を決めたわけ

避妊に踏み切った人に聞いてみたその理由 1.♀特有の病気(子宮蓄膿症・卵巣腫瘍etc)を防ぐため。
2.発情期の汚れが嫌だから。
3.発情期に♂に追いかけられて道路を渡り危ない目にあったから。
4.アメリカでは避妊は常識。避妊をしているワンを飼っていると税制面でも待遇が良い。(ペットに何か税金がかかっているのだろうか・・・?)
何故エルダには避妊手術をしなかったのか? 上記、1の理由に関しては臓器を摘出してその病気を防ぐ(というよりは無くす)というのが自然の摂理に反すると思ったから。だって・・・病気になる、ってだれも断言できないのに。また、想像妊娠する子が子宮蓄膿症になり易いと聞いていたので、全くそういう傾向の無いエルダには心配は無いかもしれないと思っていた。
私の勉強したテルミーでも体にメスを入れる事は体の大事な流れをそこで切ってしまう事に等しい、って言っていた。私もそれは納得出来た。

2の理由は言語道断・・・正直言うと『じゃぁ、何故メスを飼ったの?』って言いたかった。勿論そんな事は言えなかったけどね。飼い主の決断・思いなのだから。
なのに何故手術をするの? 1.引き金は仲良しサンのゴールデンのチャー(6歳)の子宮蓄膿症での緊急手術だった。幸いな事にチャーは事なきを得たけれど入院は4〜5日したようだ。その4〜5日の入院に果たして耐えられるのだろうか?避妊手術だったらその日のうちに家へ帰ることが出来る。

2.4月に旅行に行った先でメーリングリストで知っていたボーダーの飼い主の獣医さんにあった。たまたま夜、ゆっくり話す機会があったんで聞いてみた。
『どう思う?』って。ボーダーコリーは麻酔に弱いらしい。年齢がいってから病気のリスクの上に麻酔のリスクを負うのはかなり危険な事らしい。
動物なのだから当然発情期には♂を求める。そのストレスから解放される。そして何よりも長生きの傾向が見られる。

エルダはもうすぐ5歳になる。決断のしどころかもしれない。その人の話もとっても説得力があった。その時点で90%方、心は決まった。

そしていよいよ手術を決めたことを先生に話し、予約を入れてきた。2002年7月13日(土)、私の誕生日。
不安だから旦那のお休みの日にした。暑かったらかわいそうだなぁ。

避妊手術まで

5月8日(水) フィラリアの検査とともに同時に手術に必要な他の血液の検査もしてもらう。全て異常なし。
ただ・・・体重が14キロ、ちょっと太っちゃったね。今日はちょいと血便が出たんで予定の5種ワクチンは先延ばし。
ボーダーコリーは麻酔に弱いって聞いてるんですがどうでしょう?って先生(副院長)にはしつこく言った。手術の際に歯石を取ってもらい、2年前から出来てる口唇のタコ状のものの組織検査を依頼する。
5月20日(火) 5種ワクチン接種。その際、院長だったんでまたまたしつこく麻酔の事を言う。院長はにこやかに笑って自分の手で自分の胸をポンとたたき「任せなさい」って言った。しつこいか私・・・いいんだ、納得いくまで聞く。
7月8日(月) 検便のため来院。最後の打ち合わせもある。便は異常なし。そこで私はとっても重要な聞き忘れていたことを聞いた。「避妊手術って何を取るの?」色々やり方はあるらしいけれど、ここの病院は子宮と卵巣の両方を取る。そうだよね、そうじゃなきゃ、今回私が決心した根拠が崩れてしまう。子宮と卵巣を取って病気にかかりにくくするのだから。そしてまたた麻酔のことを聞く。もう、本当にしつこいよね、私。
手術前日の夜の10時くらいから食べ物・飲み物一切与えてはいけない。麻酔かけたときにあげて食べ物や水が肺に入っちゃったら炎症起して大変な事になっちゃうらしい。
そうそうダイエット成功!13.2キロになってた。
7月12日(金) 手術前日、もう22:00過ぎ・・・こんなに暑いのにお水上げられないなんて。お水をのませたらいけない、ということであれば明日の朝のお散歩はうんちとちっこのただの散歩ですませなきゃいけないかもしれない。運動したら喉渇いちゃうもんね。
今日、シャンプーした。


避妊手術当日・2002年7月13日(土)曇りのち晴れ

7:30 うんちとちっこだけの散歩に出る。ちっこ2回くらい(いつもより少ない)。うんち2回
8:30 帰宅。足を洗っていつも通り食器の前に行く。私かわいそうだけど知らん振り。喉渇いてるだろうな。ちょっと位あげても・・・いやいや、と心を鬼にする。エルダのジトーッとした目つきがたまらない。「どうしてくんないの?」
10:30 車の中のエルダ。とっても不安げ・・・
家を出発。とうたんと行くとややこしいことになりそうなので私一人で中目黒の病院に送る。二人でいっしょにいなくなるとエルダはうるさい傾向がある。いっつも3人いっしょ、って思ってるのかなぁ?簡単な診察の後置いてくる。
待合室隣に座った猫の飼い主のおばあちゃまが泣いていた。究極の決断を迫られている様子。避妊手術で泣きそうになってる私、馬鹿みたい。本日の体重12.85`。
   緊張が耳に出てる。
17:00 先生のところに電話をかける。「無事終了しました」との返事。18:30頃迎えに来るようにとの指示。今はもう麻酔から覚めているとの事。
18:30 ガラスにエルダの姿が映っている。不安・・・
診察室に連れて来られたエルダの顔はボーとしている。でもフラフラという感じでもない。ただ、ちょっと心ここにあらず、っていう感じ。
傷の説明を受ける。結構大きい傷、10aくらいあるかもしれない。
@傷の周りが赤くなってきたり、紫色になってきたら連絡の事。
A薬は抗生物質と胃腸薬が朝晩・痛み止めが朝の3日分処方。
B表面の内側を溶ける糸で縫っているので抜糸の必要はない。濡れないように気をつける。エリザベスカラーも必要なし。
C1週間ぐらいで通常の散歩に戻していい。しっこ、うんちの散歩は軽く。
D時として翌日暴れ回る子もいる(麻酔の関係?)。そんなときは電話する。
19:30 駐車場から我が家まで100メートルくらいある。そこをしっこのために歩かせた。1回しっこをする。びっくりしたのはドアを明けたとき、ドアポケットにあった夕刊をくわえてちゃんとお仕事をしたこと。なんてけなげなんだろう(:_;)
食事は8時。いつもの量の半分しか食べない。
あちらこちらと動き回るが寝付けない様子。傷が痛いのか?夜もハァハァ言い通し。ちゃんと寝れたのかなぁ。

痛いですぅ  術後のエルダ

7月14日(日) (AM)
朝6:00前起床。しっことうんちの散歩に出るが、しっこ1回、うんち1回終わった途端もう帰る、っていう感じでマンションの玄関に入っていく。痛いのかなぁ。写真は今朝の傷の様子。
本当はいけないんだけど薬をチーズにくるんで飲ませた。フードもほんのちょっとしか食べない。手であげるとようやく食べる。
早く食欲が戻りますように。 

(PM)
どんどん元気になってきている。兄ちゃんにもにもにょろにょろ持ってきて遊んで遊んで、って催促し始める。兄ちゃん少し不安になってくる。「こいつ平気かなぁ」
夕方の散歩、うんちは出なかった。ちっこは1回のみ。
7月15日(月) 今日の傷の様子・・・まだあんまり変化なし。時々くるったようにお腹に顔を突っ込もうとするから気づいたときは『NO!』って止めさせるけど、突っ張ったりするんだろうか?

朝・夕のうんちとちっこの散歩はそれぞれうんち1回、ちっこ1回。(遊んでるときはしょっちゅうちっこするのにね)
7月16日(火) 台風が来る。傷口を濡らしちゃいけないと言われていたんでレインコートを着せて散歩に行く。やたら蒸し暑いんでかわいそう。







  にょろを投げてくれと構えるエルダ
7月18日(水) この2−3日、エルダの調子がおかしい。普段からお布団を爪でホジホジ、ってのは確かにあったけどあそこまでひどくなかった。お布団をホジホジ。トイレの便器脇のクッションフロアーをホジホジ・・・何の意味も無いことを繰り返してた。人の顔を見るとやたらきゅんきゅん泣くしね・・・
でおとといあたりからはボールで遊ぼう攻撃も始まってた。今朝は小公園で10分ほどボール遊びしたんだけど、夕方はもうY公園に入っちゃった。グルッと軽くボールやりながらラブママと公園一周したの。
とりあえず、エルダは満足したみたい。
エルダのストレスのあらわし方、って今まで全然わからなかったけどホジホジ、っていうのが今回よく分かった。だってつい最近買ったとうたんのだ−いじなソファもホジホジして爪のあとつけてる。とーたんはやせ我慢して「穴があいてないからいいやぁ」って言ってるけれどね。
今までは朝1回、夕方1回のちっことうんちだったけど、今日の夕方はちっこを思う存分出来たと思う。

久々に草をむしゃむしゃ食べて、芝の上に寝そべって、カラスを追いかけて、木の陰に隠れて・・・そんなエルダを見てとっても幸せ気分になれた私。

傷のほうはあまり変わらない。明日は写真を撮る。
7月19日(木) 今朝は雨が降ってたので公園の中には入らなかった。小公園でちょいとボール遊び。傷の感じはよーくみるとついてきてる、って分かる。どちらにしてもエルダはほとんど苦にならないよう。
                 
そろそろ元気になってきたんで私もエルダにいたずらを始めてこんな格好させてみた。

雨さえ降らなければもう公園で遊んでいいような気がする。
7月22日(月) 写真だとあまりはっきりとは分からないけれど傷も周りとなじんできて傷口ももうついているように思える。

擬似妊娠?
ちょいと気になること。もう、金曜日の夕方からはY公園に入ってちょっとずつ遊び始め(なるたけ丈の高い草のあるところは避けて)ていて結構ボール遊びもしている。ストレスだと思っていたホジホジ(7月18日記)をこのとこまたやりだした。今朝はマンションの植え込みの土を目いっぱい掘り出していた。ほんの踏み切りでの電車通過待ちの間に。そのことをチャーママに話した。「もしかしたら擬似妊娠かも」だって。エルダはシーズン後だって決して擬似妊娠なんか無かった。ソファの上でのホジホジ、トイレ便器脇でのホジホジ、そして植え込みのとこでのホジホジ・・・散歩の帰り、Y公園の植え込みでもやっぱりやっていた。普段、あんまりやったことのない行動なのでとっても興味ある。一体何なんだろう?子宮と卵巣が無くなって、今のエルダの体の中ではホルモンバランスが色々微妙になっていて、巣作りでもしているのだろうか?
8月5日(月) 3週間と2日が経った。傷もお臍に近いほうのかさぶたは取れてきた。ちょっと心配だったホジホジ行動もこのところ出ていない。一体何だったんだろう?

夏バテになることもなくY公園のどのワンよりも元気。後はかさぶたが取れるのを待つだけ。傷を触るとちょっと硬い感じがする。溶ける糸、というのはもう溶けているのだろうか?
9月27日(金) 2ヶ月と2週間が経った。その間、目立ったことは特に無い。7月22日に気にしたようなホジホジも今は特に無い。あれは一体何だったんだろう?
性格的には・・・うーん、まだ言うには時期尚早かもしれないけれど、結構お友達に遊びを仕掛けるようになったような気が・・・うーん、飼い主しか分からないぐらいの変化だけれどね。
一時は傷の跡の内側がコリコリと当たっていたけれど、今はそれもなくなってきた。

追記・2005年2月25日(金)
昨年暮からY公園に来るようになった1歳を迎えたばかりのB&Wボーダーのチョコちゃん。ママさんが避妊手術で色々心配していた。私も手術を受けるにあたっては本当に心配したのだということを改めて思い出した。
結果・・・エルダがその生を閉じるときに私には分かるのか・・・未だに結論は出ていない。